村上龍 55歳

55歳からのハローライフ

 

 

村上龍の55歳からのハローライフを興味深く読みました。様々な悩みを持つ中高年を登場人物として取り上げています。キャンピングカーに乗って日本を旅したい男性やペットを失う女性など各章で、いろいろ出てきて楽しめます。最近の村上龍の小説の背景には経済性があり、どう生活していくか(生活の糧を得るか)が取り上げられていると感じました。

各章でアイテムとして、取り上げられているのは飲み物です。人が困難に直面したとき、飲み物のようなもので少し心を落ち着かせる働きを持っているかなと思いました。心理学で言うところのコーピングですね。

 

村上龍がエッセイで書いていましたが、それによれば、『道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は意味がない』というようなニュアンスでした。二宮尊徳の言葉だった気がします。あいまいな記憶で申し訳ありませんが。

 

おすすめの本です。文庫になっているので、手にとってください。