尊厳

フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳――いま、この世界の片隅で (岩波新書)

 

世界中の様々な問題に対してのドキュメンタリーです。ルポというような言葉で置き換えてもよいと思いました。

内容は強い薬品をかけられ、顔が大きく変形してしまった女性やHIVで苦しむ子供などです。写真が衝撃的でもあり、本屋で買うのをためらいました。

著者の視点には共感できるところもあり、勉強にもなりましたが、よくわからなかったのが著者の文章です。ところどころ、著者の考えや遍歴がでてくるのですが、余計なのではないかと感じました。こういうルポには著者なりの葛藤がでてくるのですが、本当にそれを読者が必要としているのかはわかりません。「悩んでいる私」を打ち出す、ような文章は必要でしょうか?それに、立場もあいまいです。例えば、一般的な報道写真のジャーナリズムとは一線を画したいとの文章が出てきた割には、東北でそれに近いこともやっているように感じます。有名なカメラマンと組んで一緒に仕事をしているわけですから。

少し、蛇足を私が付け加えましたが、一度手にとってみたら面白いと思います。