サッカー メッシ 滅私

メッシと滅私 「個」か「組織」か? (集英社新書)

 

 

この本はヨーロッパと日本の文化の違いからサッカーを論じている。そして、個のあり方を巡って、キリスト教まで出てきている。大分、著者は門外漢のようにも感じなくはないが、ヨーロッパと日本での個や世間の違いに関してはそれなりに納得できた。

しかし、最後に出てくるザッケローニの日本代表での個に対しての考え方は正直何を言っているのかよくわからなかった。本来サッカージャーナリストなのだから、具体例をもってするなどして、わかりやすく努めるべきではなかったのだろうか。例えば、著者は日本人らしさを基調として、ヨーロッパのよいところを取り込むというのを『日本化』といっている。そして、ザッケローニはその逆をやってしまったとも言っている。では、どのへんがまずかったのだろうか。選手の攻めや守りに対する考えだとか、試合に挑む姿勢、キャンプでの言動や立ち振る舞いなどもっと具体的な観点から論じて欲しかった。

正直一番大事なところで、内容が乏しく、本に入り込めないまま、一日で読み終わってしまった。